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キラウエア火山は、ハワイ島を訪れたからには、マウナケアと並ぶ必見のポイント。キラウエア火山を訪れなかったら、「ハワイ島に何しにきたの?」といわれる事間違いなし。ハワイ島観光の中でも、キラウエア火山観光は、最大のハイライトだ。
キラウエア火山のあるハワイ火山国立公園は、1916年にマウイ島のハレアカラ山と一緒に、国立公園に指定されたが、その後分離され、現在のハワイ火山国立公園は、ハワイ島のみとなっている。キラウエア火山は、1987年に世界自然遺産にも登録。
キラウエア火山は、標高1274メートル、山としてはそれ程高くない。活発な火山活動から、ハワイ語で「噴出す」という意味の、「キラウエア」という名前が付く。キラウエア火山の活動は、今現在も続いているが、この火山の特徴は、噴出す溶岩がきわめて粘性が強いこと。その為、地表に噴出された溶岩は、ゆっくりと移動するため、キラウエア火山は火山の中でも、比較的安全性が高いといわれている。
ハワイ島には、他のハワイの島々に見られる、白い砂浜の海岸はほとんどなく、黒砂の海岸がほとんど。これは、このキラウエア火山の溶岩、火山灰の影響だと考えられている。
なお、キラウエア火山は現在も活動する活火山。その為、今なお、火山性のガスを噴出しており、妊婦、喘息、心臓疾患、呼吸器疾患などを持っている人は、なるべく立ち入らない方が良いかもしれない。
キラウエア火山のある、ハワイ火山国立公園は、レンタカーを借りて訪れるか、カイルア・コア、サウスコアハラ、ヒロなどから出発しているツアーに参加する。予算があれば、キラウエアを空から堪能できる、ヘリコプターツアーがお勧め。
●キラウエア・ビジターセンター(KILAUEA VISITOR CENTER)
11号線を通り、ハワイ火山国立公園の入り口に料金所があり、その料金所を過ぎた後直ぐにある、キラウエア・ビジターセンターへまずは立ち寄ろう。国立公園内の地図、キラウエア火山に関する資料、記録映画の上映などが行われている。
●キラウエア・カルデラ(KILAUEA CALDERA)
ビジターセンターを過ぎると、キラウエア・カルデラの広大な景色が目に飛び込んでくる。カルデラとは、火山活動により出来たくぼ地のこと。このキラウエア火山のカルデラは、「キラウエア型」と呼ばれ、溶岩が真上に噴出せず、横に流れて地下に空洞ができ、その空洞が崩壊してくぼ地ができたと考えられている。このキラウエア型のカルデラは、日本では三宅島がこれに相当する。
キラウエア・カルデラの周りを、クレーター・リム・ロード(CRATER RIM ROAD)が1周しており、距離は約18キロ。このクレーター・リム・ロードを周り、周辺の見所を見て歩くことになる。
●蒸気の噴気孔(STEAM VENT)
逆時計周りに周った場合にまず最初にあるのが、この水蒸気が噴出するポイント。駐車場の直ぐ脇から、ガスが噴出しているのを見ることができる。
●トーマス・ジャガー博物館(THOMAS A. JAGGER MUSEUM)
キラウエア火山を研究していた、トーマス・ジャガー博士の名前を冠した博物館。キラウエア火山に関する研究成果が展示されている。ここの展望台からのキラウエア・カルデラの眺めは、ベストビューポイントの1つ。館内では、様々な溶岩の標本、火山の観測機器の展示なども行われている。
●ハレマウマウ・クレーター(HALEMAUMAU CRATER)
キラウエア・カルデラのビューポイントの1つが、このハレマウマウ・クレーター。駐車場から10分程度歩くと、クレーターの直ぐ脇の展望台へいける。
ハレマウマウ・クレーターは、元々は噴火口。直径で900メートル以上もある、巨大な噴火口後だ。今でも所々火山性のガスがかすかに噴出している。
ハレマウマウ・クレーターは、火の神「ペレ」の住むところと、ハワイの先住民の間では考えられ、神聖な場所とされている。
●キラウエア・イキ・クレーター(KILAUEA IKI CRATER)
1959年に噴火した際の噴火口。「イキ」とは、ハワイ語で「小さい」という意味、ハレマウマウ・クレーターと比較して、その名前がついたのであろう。このキラウエア・イキ・クレーターは、トレイルになっており、カルデラの中を散策できるようになっている。
●サーストン溶岩トンネル(THURSTON LAVA TUBE)
うっそうと茂る熱帯雨林の中を抜けるとある、溶岩トンネル。駐車場から徒歩10分くらいで行け、トンネルも500メートルほど。
●ボルケーノ・ハウス
ほぼ1周した国立公園入り口の所にある、150年の歴史を持つロッジ。宿泊することも可能。レストランも併設されているので、お昼時には、ランチをここで取るもの良いだろう。
●チェーン・オブ・クレーターズ・ロード(CHAIN OF CRATERS ROAD)
キラウエア・カルデラの観光を終えたら、チェーン・オブ・クレーターズ・ロードへ向かおう。
キラウエア火山の噴火口は、キラウエア・カルデラより、年々南東へ移動している。過去の火口、そして1983年より20年近く噴火を続ける東端の火口、クパイアナ火口方面へ南東へ伸びて海岸線まで行く道が、チェーン・オブ・クレーターズ・ロードだ。まさに、この道の名前の通り、噴火口をつなぎ合わせるように道は伸びている。
以前は海岸線まで降りた後、ハワイ島の東、ヒロまで行くことができたが、現在は溶岩流に道が飲み込まれ、途中で追行止めとなっている。
チェーン・オブ・クレーターズ・ロードは、片道およそ20マイル、約32キロ、その海岸部の通行止め地点までは、片道約1時間。その間、真っ黒にキラウエア火山の東斜面を埋め尽くす、溶岩原が、真っ青な太平洋の海まで続く景色は、他のどこでも見れるものではなく、間違いなく一生の思い出に残る景色だろう。
途中いくつかのトレイルがあり、この溶岩原をトレッキングできるようになっている。応小さい駐車場があるが、直ぐに一杯になってしまうので、その場合は路上に駐車することになる。
このチェーン・オブ・クレーターズ・ロードの行き止まりの地点は、海に押し寄せる溶岩に道路が押しつぶされ、自然の驚異にただ驚くばかり。今現在も溶岩は海に流れ出してはいるが、黒く固まっている溶岩の下から、海中へ流れ出しており、水蒸気だけが海から上がってくるのを見ることができる。残念ながら、このポイントからは、赤く光った溶岩が海の中に落ちていくのを見る事はできない。
しかしながら、このチェーン・オブ・クレーターズ・ロードの終点から入るトレッキングコースでは、岩の隙間から下を流れる溶岩を見ることのできる可能性が高い。その見れるポイントは日々変化しており、かんらずしも見れるものではない。できれば、ツアーに参加して、ガイドさんに案内してきてもらった方が、見ることの確率は高いはずだ。
このチェーン・オブ・クレーターズ・ロードの終点地点では、レンジャーもパトロールを行い、救急車も待機している。この付近は、火山性の有毒ガスが発生する事も多いためで、実際に事故も起きているという。ここをトレッキングする場合は、十分に安全に配慮して行うこと。
●カラパナ見学エリア
2008年3月に新規にオープンした、見学エリア。カラパナは、チェーン・オブ・クレーターズ・ロードからではなく、その溶岩で押しつぶされた道路の反対側の行き止まり地点。ヒロの方から11号線、130号線を経由して行く。
このカラパナ見学エリアの大きな特徴は、真っ赤に燃える溶岩が、海に流れ落ちること可能性が高いこと。チェーン・オブ・クレーターズ・ロード側では、今は見ることはまずできないが、このカラパナ見学エリアでは、キラウエアの火山活動が活発なときは、それを見ることができる。14:00-22:00までこのポイントはオープンしており、駐車場に入るには、20:00までに入場する必要がある。入園は無料。
ただし、このカラパナ見学エリアは、キラウエア火山の活動状況により、クローズ、又は時間の短縮が行われる可能性がある。無駄足を踏まないよう、訪れる前に、下記で開閉状況を電話で確認してから行った方が良い。
808-961-8093(テープ音声にて、1日1回更新、英語のみ)